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愛するということ
愛するということ (JUGEMレビュー »)
鈴木 晶, Erich Fromm, エーリッヒ・フロム
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教員ドットコム 教育関連おすすめレビュー


様々な方面で活躍されているメンターの方のお話を紹介していきます。

教え力
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    ■今日のメンター
    ■相手を伸ばす! 教え力
    ■齋藤 孝
    ■宝島社
    ■著者紹介
    1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、現在は明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。主な著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社、毎日出版文化賞特別賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)など。


    【1】 教えるということ

    教えることの目標は、「相手を上達させること」です。懇切丁寧に説明しているばかりで、結局、生徒ができるようにならないのでは、本当に教えていることにはならないと思うのです。学ぶ側ができるようになったかどうか。これだけが教えたことの評価なのです。

    相手を上達させるためには、「練習させる」ことが重要です。ですから、教えることの中心には、「練習メニューをやらせる」ということがきます。優れた練習メニューを、繰り返し、飽きさせずにやらせることができれば、学ぶ側は間違いなく上達するのです。

    では、練習メニューをやらせるために何が必要なのか、考えてみますと、「憧れる力」「評価力」「テキスト力(素材力)」「ライブ能力」というものがきます。そして、「教え込む」時期を過ぎたら、「育てる力」により、「教える」の最終的な目標である、相手の自立を目指します。


    【2】 憧れる力

    教えることのいちばんの基本は、まず、教える相手のモチベーションをかきたてることです。相手がやる気になりさえすれば、ほとんど勝ちなのですから。では、そのために何がいちばん大事なのかというと、教える側の人間が、やろうとしていることに恐ろしいほどに憧れを持っていることです。

    ヘーゲルの言葉に「欲望は模倣される」という言葉があります。欲望は、そうした欲望を持っている人によって「かきたてられる」というのです。教育とはシンプルです。教える側の憧れが、生徒の憧れを生むのです。生徒のほうから見ると「先生の憧れに憧れる」ということになります。

    向き合って話込むばかりではなく、むしろその人自身が何かに向かって走っている、しかも上斜めの方向に突き進んでいる、さらに、その力の量が圧倒的に多いとなると、これは相当まわりにいる人を鼓舞します。「いま、自分自身には本当に憧れがあるのだろうか?」常にこの問を発してください。


    【3】 評価力

    評価することを恐れてはいけない。学校でも会社でも「できない状態からできる状態に移る」ことを学ばなくてはいけないわけです。そして、できるようにさせるためには、「相手にいま、どのような力が必要なのかを見抜くこと」ができなければいけません。この力が評価力というものです。

    まず「いま、学ぶ側の力はこのぐらいだ」「良い状態と比べると、ここはできているけれども、ここができていない」というのを見抜く。そのうえで、できていない部分を強化するためには、どんな練習メニューが効果的かと考えるわけです。

    なおかつ、学ぶ側が伸びていくためには、どこが悪いのかをわからなせなければなりませんが、その際にただ「ここがダメだ」と言ってしまうのは良くない。良いところ、悪いところを腑分けして、相手がやる気をなくさないようにそれを伝えていく、「コメント力」も必要とされます。


    【4】 ライブ能力

    教育というのは、ライブ感がないと、最終的にはダメだと思うのです。優れた、カリキュラム、練習メニューを持っていたとしても、相手をノセていくという面がないとなかなかうまくいかないものです。場の空気を感知して、臨機応変にメニューを切り替える。これがライブ感です。

    そして、現場では、テンションの高さが必要です。「もうおれは肚を決めた、勉強しないかぎりはてこでも動かん!」「なんとしても上達させてみせる!」というテンションの高さを出しましょう。そこにいる人たちの意識を揺り起こして、緊張感を高めていくためには絶対にこの高さが必要です。

    教える前段階に、相手の意識のレベルを上げることが重要です。多人数を教える場合、問題になるのは能力差ですが、実は、意識レベルの差のほうが大きいのです。活性化していればたいがいのことは大丈夫なのです。意識レベルは、突つかないとあがりません、場を感知し、ノセていきましょう。


    ■選書コメント

    今週は齋藤孝先生特集第2弾です。

    齋藤先生を以前納税者リストで拝見したとき、職業が「タレント」となっていました。テレビにもよく出演されているので芸能人と思われているかたも多いと思います。もしくは、、もともとの火付け本が『声に出して読みたい日本語』ということで、日本語専門家と思われているかと多いかもしれません。

    もしかしたらですが、サントリーの「DAKARA」のCMや、徹子の部屋での健康法関係により、デューク更家さんと同ジャンル?と思われているかたもいるかもしれません。それはないか。と、前置きが長くなりましたが、実は、齋藤孝先生の専門は「教育学」です。中でも教師を育てる「教育者教育」という教育方法を専門にされています。

    その「Teacher of the Theacers」が教育方法についてもっとも力を入れた一冊が、本書です。教師に必要な力はなにか、そして、その力を育てていくにはどうしたらよいのか、というテーマを「5つの力」の切り口で学び取ることができます。

    私自身、以前は、「どのように教えたらわかりやすいか」「どうモチベーションをあげていくのか」という2つの観点でしか教えるということを考えていませんでした。しかし本書により、教えるにあたっての心構え、そして、練習メニューの大切に気づかされました。

    小手先ではなく、教える事の本質を見据えた本書は、学校だけなく、会社、親子関係においても、教えることに興味のある方すべてに大オススメの1冊です。


    | 齋藤孝 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    先生増殖方式
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      ■今日のメンター
      ■実践!齋藤メソッド 生きる力を鍛える
      ■齋藤 孝
      ■小学館
      ■著者紹介
      1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、現在は明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。主な著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社、毎日出版文化賞特別賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)など。


      【1】 先生増殖方式とは

      先生増殖方式…先生が説明した内容を、「生徒自ら先生と同じように再生できるようにする」方法。

      すべての教科を言語活動として捉え、先生のように説明できるようにする。教育の到達点は、先生のように教えられるようになるということであり、それが最も効果的な学習方法なのである。


      【2】 手順

       ,泙裟萓犬説明をする
      ◆〇劼匹發魯瓮發鬚箸蠅覆ら聞く
        (説明が終わった時点で、子どもはわからないことは質問する)
       子どもはメモを見て覚える
      ぁ。何佑劼帆箸如交互に説明しチェックする(1往復)
      ァ〜蠎蠅鯀箸濛悗┐討發Γ臼復する
      Α〇転紊欧箸靴董∪睫世靴燭海箸鮑酳犬暴颪せる
      А―熟プリントで、類似問題を大量に解く

      時間配分  銑Δ鬘隠喫くらいでやる。Г忙間をとる。


      【3】 ねらい

       |亮韻猟蠱緡┐高い 
       1)聞く・話す・読むという要素が全部入ってくる
       2)量をこなすことができる
      ◆,垢戮討了童・生徒が主体になり充実した時間を過ごすことができる
       話す力、聞く力、メモ力、文脈力などプラスアルファの力が身につけられる


      【4】 Q&A

        孱何佑劼帆箸里箸についてもう少し詳しい話を聞かせてください」
       →「教師役」の生徒はメモを見ずに話をし、「聞き役」はメモを見ながら、漏れがないかをチェックする。後の教師役は相手の話がチェックできる分自分の番ではポイントをもらさず話せるのが有利だ。先の教師役は自分が一度話したものを再確認できるので深く学べるメリットがある。

      ◆ 屬匹里茲Δ覆海箸肪躇佞鬚垢譴个いい任垢?」
       →「本質的な説明」と「習熟プリントの作成」が必要。解答も一緒に配る。最初にある教師の説明の如何によって、子どもたちの活動が大きく影響を受ける。あとは時間内にどれだけこなせるか。活動に取り組んでいる際は、学習の遅れがちな子どもを中心にみていく。

       「勉強の嫌いな子どもでもできますか?」
       →この方式では、そうした優劣はほとんど影響ない。基本的に子どもたちは皆しゃべることが好きだからだ。勉強が嫌いな子でも、先生役になれば、それなりに話せてしまう。説明内容に興味がもてない子でも、説明内容を短くする。勉強以外の内容や、すでに子どもたちの知っている内容を最初に取り上げて、先生役の楽しさを実感させるなど、先生増殖方式に興味を持たせる。

      ぁ 崟萓犬汎韻呼睛討鮖劼匹發話せる必要はあるのでしょうか?」
       →新しい知識が入ってきたとき、自分の言葉に置き換えて説明ができるようになれば、わかったといえる。話を聞いてもそれを他人に伝えられなかったら、聞いていないと同じなのだ。まったく同じでなくても、短くても構わない。内容をつかんでいれば、それでいい。

      ァ 崙睛討鰺解しているか、すべてのポイントを押さえているかは、どのように判断しますか?」
       →2往復終了した後に、何人か代表で前にて発表をして全体で確認し、モレがないかをみる。発表をしっかり褒める。習熟プリントの進み具合で理解度がわかる。

      Α 嶇辰垢海箸苦手な子でも、先生役はできますか?」
       →先生役になって話してみると、自分に話す能力がないのではなく、単に話の端緒が見つからなかっただけだったことが分かる。次からはメモのとき話の端緒となるキーワードを並べるようになる。この方式は個々の生徒にそれを気づかせてくれる。そして、人前で話す意欲が沸く。一度先生役をやってしまうと、次に聞き役になって相手の話をチェックするときは、相手の話の内容に何がかけているのかがはっきり見えてくるので、面白くて仕方なくなるというようになる。

      А 峭盂愬の児童でも難しいように思いますが」
       →何度か繰り返すうちにコツがわかるようになります。どうメモをすればいいのか。どのような話をすればいいのか。どのような効果があるのか。取り扱う内容は毎回違っていても、形式は毎回同じなので、回数を重ねるうちに身につくようになる。また、発達段階に応じて、補助線(枠組み)のついたメモ用紙を教師側で用意したり、話す内容を工夫したりする。
       
      ─ 屬垢戮萄能蕕棒萓犬答えを言うと子どもの問題解決能力や、創造性が育まないのでは?」
       →私の考えでは、基本的には子どもが初めて解答を生み出すとか、問題解決や開放発見型の授業はやらないということだ。つまり、わからないことが頭の中にひらめていてわかるようになる、ということには期待しない。解き方の本質については、先生が語るものだ。また、「基本の再生能力」という土台の上に「創意工夫」があるのだと思う。アイディアとは、基本的にアレンジである。創意工夫というのは、再生能力を基盤として、何かと何かをくっつける能力なのだ。
       ※ Q&A┐瞭睛討亡悗靴討蓮⊃学・算数の教科を前提として話をしています。


      【5】実践を通して

      ・「あれぇ、なんだっけ。ちょっと待って」「あ、これ言えるかな」と深く情報に携わる
      ・2往復することで自分の言葉になる→理解できている
      ・「この人の話し方上手いな」、「メモきちんととれているな」と相手から様々なことを学ぶ
      ・先生の意図を子どもたちが理解できる。
      ・子どもたち同士で学習をすすめる機会になる。「これ、どういうことかなぁ」
      ・普段メモをとらない人も、メモをとるようになる。話を聞くようになる。
      ・短時間でも内容を「いつもよりきちんと」覚えることができたという意見が多かった

      ■選書コメント

      今週は齋藤孝先生特集第2弾です。

      本書は、「16もの」齋藤メソッドが詳しく、丁寧に紹介されています。3色ボールペンや、偏愛マップというおなじみのものをはじめとして、メタ・ディスカッションや先生増殖方式といったものなどなど、様々なメソッドが、すぐにでも活用できるかたちで収録されています。

      その中で、今回は、私のもっとも注目しており、実際に現役の先生同士が参加する勉強会で挑戦しました「先生増殖方式」をピックアップしました。個人学習、グループ学習、学級学習が一度に行え、練習量も多く、それぞれが主体的に参加できるこの学習方式をぜひともマスターしていきたく、また、すべての人にオススメしたいメソッドです。

      メソッド、メソッドって、何がメソッドかよくわからないというかたは、理論書として『「できる人」はどこがちがうのか』(ちくま新書)を、実践編として、『本書』と、『齋藤式 潜在力開発メソッド』(マガジンハウス)の2冊をご一読されるとよろしいかと思います。

      | 齋藤孝 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      子どもに伝えたい<三つの力>
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        ■今日のメンター
        ■子どもに伝えたい<三つの力>
        ■齋藤 孝
        ■NHKブックス
        ■著者紹介
        1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、現在は明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。主な著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社、毎日出版文化賞特別賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)など。


        【1】 子どもたちに伝えるべき力とは

        子どもに本当に伝えたい、伝えなければならない力とは何なのか。これを明確にし、多くの人が伝えるべき力についての共通認識を持つことによって、朦朧として浮き足立った教育の現状から抜け出すことができると私は考えている。共通認識を持つことが、力を伸ばすために不可欠の条件である。

        世界で通用する力と言ったときに、英語やIT技術を突出して考えるのは危険である。日本が国際的に厳しい状況におかれたのは、今に始まったことではない。障害を克服することでつねに発展をとげてきた。その発展を支えた普遍的な力を見直す必要がある。では普遍的な力とはどのようなものか。

        厳しい状況に放り出されたとしても生き抜いていくことができる基礎力、普遍的な力として、<三つの力>を設定した。奇をてらった概念ではなく、誰にとってもベーシックなであるコンセプトだと考えている。これら判定基準が経験をコンセプトにしたがって反省的に捉えかし、生きる力を鍛える。


        【2】 まねる盗む力

        たとえば、いきなり言葉が通じない国に連れていかれ、放り出されたとすると、どのような力が要求されるだろうか。その社会で働いている人の仕事ぶりを見て盗むことさえできれば、身体を使った労働ならば、なんとかそのシステムに食い込んでいくことができる。

        この力が身についていれば、たとえ親切に教えてくれる人がいない状況でも、技を見抜いて自分のものにしていくことができる。現在の日本の学校教育では、教えてもらうのが当たり前になっているが、その受け身の姿勢が染みついていると、厳しい社会に放り出されたときに身動きが取れなくなる。

        支持されたことだけをやるというのでは、通用しない。積極的に貪欲な目でうまい人の技を盗む、そうした積極的に学ぶ姿勢自体を身につける訓練がどうしても必要である。


        【3】 段取り力

        段取り力も、生活や仕事のさまざまな場面で求められている力である。周りの動きを予測しながら自分の動きを段取ったり、多くの人が楽しめる場を作り上げたり、上達するための自分の練習メニューを組み立てたりするのが、段取り力である。

        段取り力は、細かくタイムキーピングすることではない。むしろ、枝葉末節は捨てて骨組みをきっちりと押さえ、大過がないようにする力である。重要なツボをしっかり押さえておくことによって、かえって融通が利くようになる。そうした自由な動きを可能にする。

        段取り力は、数学の証明問題を通しても鍛えられるし、部活動の練習を通しても鍛えることができる。総合的な学習の時間では、自分で調べる段取りをつけたり、発表の段取りを考えたりすることが、すなわち段取り力を鍛えることになっている。


        【4】 コメント力

        コメント力や要約力、質問力は、コミュニケーション能力の具体的な内実である。人の良いところに気がついて言葉にしてほめるということも、コミュニケーション能力の代表的なものだ。

        また、ある話を聞いて、的確なコメントをしたり質問したりすることによって、コミュニケーションは活性化する。話し手に対してレスポンスすることを前提にして聞くことによって、話は見に入ってくる。

        こうした力は、スポーツ技術のように、具体的に鍛えることができるものだ。対人関係能力というと漠然としてしまうが、コメント力や質問力ということならば、着実に伸ばしていくことができる。走力や跳躍力や創造性といったものと比較すると、誰にでも門戸が開かれた力である。


        ■選書コメント

        今週は齋藤孝先生特集第2弾です。

        本書は、齋藤先生の開催されている私塾「齋藤メソッド」での実践記録書です。

        この一冊で、『段取り力』『コメント力』『質問力』『スラムダンクを読み返せ!!』『実践齋藤メソッド』『教育欲を取り戻せ!』などの系譜をみることができます。

        以前に読んだときは人生指南書としての位置づけで、『「できる人」はどこが違うのか』(ちくま新書)がなかなか読みすすめることができず、解説書として本書を利用していました。

        今回は教育という観点からアプローチしました。子どもたちを育てるために、ゴール設定方法、教育課題、今の子どもたちに必要な力が丁寧に紹介されており、「なぜ勉強しないといけないのか」から、「なぜ教えるのか」「何を教えるのか」といったことを問い直し、その骨組みを考える際、本書は役立ちます。


        | 齋藤孝 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        声に出して読みたい日本語 齋藤孝
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          ■今日のメンター
          ■声に出して読みたい日本語
          ■齋藤 孝
          ■著者紹介
          1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、現在は明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。主な著書に、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)など。

          【1】

          いま暗誦文化は絶滅の危機に瀕している。かつて暗誦文化は隆盛を誇っていた。しかし、今の日本では、詩や名文を暗誦や、朗誦が、当たり前ではなくなってきた。この本のねらいは、もちろん暗誦・朗誦文化の復活にあるわけだが、実はその大本には身体文化の復興というヴィジョンがある。

          この本に採録されたものは、文語体のものがほとんどである。古い言葉遣いには、現代の日常的な言葉遣いにはない力強さがある。身体に深くしみこむような、あるいは身体に心が通り、息が深くなるような力がある。

          歴史の中で吟味されてきた名文、名文句は、声に出して詠みあげてみると、そのリズムやテンポのよさが身体に染み込んでくる。そして、単に染込むだけでなく、身体に活力を与える。それはたとえしみじみとしたものであっても、心の力につながっている。

          【2】 

          暗誦が衰退した背景には、暗誦文化が受験勉強の暗記と混同されたという事情がある。年後の暗記や些末な知識の詰め込みに対しての拒否反応が強かったために、覚えること自体が人間の自由や個性を阻害すると思い込まれた。しかし、これは、言われなき混同である。

          現代日本ほど、暗誦文化をないがしろにしている国は稀なのではないだろうか。イギリスではシェイクスピアが、フランスではラシーヌなどが、学校教育で暗誦され国民の共通文化となっている。アジアや南アメリカ、アフリカといったところでも、口承文化が色濃く残っている。

          これらは、人の生きた身体を通して語られる言葉が、もう一人の身体へと伝えられていく文化である。みなが共通の古典テキストを暗誦していることによって、日常のコミュニケーションが、深い文化・伝統につながり、豊かな意味が醸し出される。また、世代間の信頼関係を強める効果もそこにある。

          【3】 

          詩は朗誦したり暗誦したりすることにこそ魅力がある。意味を解釈したとしても、暗誦できていないとすれば、その詩や名文の威力は半減してしまう。日本語の感性を養うと言う観点から見ても、暗誦に勝るものはない。最高のものを身に染み込ませることで、日本語の善し悪しが分かるようになる。

          日本語を体得するという観点からすると、子供の頃に名文と出会いそれを覚え、身につけることは、その後の人生に莫大なプラスの効果を与える。それらの言葉が、身体の内から発せられるとき、
          その人の存在感が増すように感じられる。身についたものは心身のありかたに影響を与える。

          また、年老いていくなかで幼少の頃に覚えた言葉が口をついて出てくると言うことがあれば、それは非常な喜びである。数十年の時を隔てても、自分の中に行きつづけていると感じられることは、人生を肯定する力となるののではないだろうか。

          【4】 では、どのように身につけるか?

          硬いものを食べてこそ、顎は強くなる。強い顎があれば、硬いものも柔らかいものもかみ砕くことができるが、弱い顎では、硬いものに含まれる栄養分を吸収することはできない。歴史のなかで吟味され生き抜いてきたものが母国語の強い顎をつくることになる。

          毎日数分間ずつでも繰り返す。最高のものを型として反復練習し、自分の技として身につける。

          適当なテキストを持つ。適当なテキストとは、選択の基準が暗誦におかれているもの、落語や歌舞伎、言葉遊び、あるいは禅や世阿弥など網羅されているもの、ついからだが動き出すような勢いや
          魅力をもったものができるだけ入っているものが望ましい。


          ■選書コメント

          今週は齋藤孝先生特集です。

          書店に特設コーナーが設けられるほどのブームとなった日本語本。その火付け役となったのが本書、「声に出して読みたい日本語」です。現在は、シリーズ化され、子供版や方言版まで出版されています。

          本書では、暗誦、朗誦文化復興、人生を豊かにするための身体知への取り込みが中心に紹介されています。今現在は、さらにそれらに加えて、東北大学・川島隆太教授の研究によって、「音読学習は脳を活性化する」ということが、科学的に証明されたことにより、能力開発の手段として注目を浴びてきています。

          以上の研究等により音読学習は、教育現場では、取入れられてきています。しかしながら、大人達(40〜50代まで)は、文化がなく、実践するまでにいたっていない部分があるかと思います。

          本書のシリーズを通じて、脳内開発はもちろんのこと、暗誦の良さや、身につけ方がわかり人生を豊かにする日本語文化が広まっていくと素敵だと思います。

          私自身も、日本語文化の継承とまではいっていないですが、学習前、読書の前に音読をするようにしています。すると、あきらかに集中力や、頭の回転が違うことが実感できます。

          「寿限無」や、「学問のすすめ」の一説は、暗誦できるようになり、ついつい、人に聞かせて
          みせるのですが、あきれられています。
          | 齋藤孝 | 13:37 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          夢を実現する戦略ノート 齋藤孝訳
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            ■今日のメンター
            ■夢を実現する戦略ノート
            ■マクスウェル,ジョン・C.
            ■訳者 齋藤 孝
            ■著者紹介
            アメリカで最も信頼されている「リーダーシップ論」の権威として、毎年2万5千人以上の企業の管理職を指導し、「リーダーのリーダー」「世界一のメンター」と讃えられる。企業や組織のリーダー育成、ビジネスマンの能力開発を手がける企業「インジョイ・グループ」の創設者。
            ビジネスマンや働く女性を対象に「その他大勢から抜け出す思考法」「夢を実現する成功法」を指導するセミナーや講演会を全米各地で開催、好評を博する。また、影響力のある牧師としての顔も持ち、多彩に活躍中。


            【1】訳者前書き

            私は、成功者と呼ばれる人、勢いのある会社の創業者に機会が多い。彼らには共通点がある。
            それは「独自の戦略」を持っているということだ。人は彼らを「勘が鋭い」「独自の嗅覚が
            ある」などというが、実はそうした特徴は「人生戦略」によってつくられている部分が大きい。

            例えば、彼らは人生や仕事での優先順位がはっきりしている。どんな仕事に対しても「成功したヴィジョン」をイメージできる。「問題」よりも「解決」にエネルギーを投入する。

            そして、戦略的な視点で物事を見られる人は、たとえ今は一般社員であっても将来は有望である。どんな分野であれ、そういう人が最終的には頭角を現わし、夢を実現していくのである。

            【2】「成功」とは何か

            私は「成功とは旅である」と考えている。自分の使命を自覚し、自分の能力を最大限に
            発揮して、常に変化と成長を遂げていく。このプロセスを一生かけて行うことこそ、
            「成功した人生」と呼ぶにふさわしい。

            成功とは、「何かを手に入れること」、「事前に決められた有意義な目的を、順を追って実現していくこと」だと思っている人も多い。この定義はどうもしっくりこない。それは、何かを手に入れ、達成したとしても、その喜びや充実感は一時的なものにしかすぎないからだ。

            25年以上にわたって、成功者とつき合い、成功とは何かをテーマに研究を重ね結果、成功とは、
            ー分の人生の目的を知り、  
            ∪在能力を最大限に発揮するために成長し、
            人のためになるような種を蒔くこと、 以上の三大鉄則にたどり着いた。

            この結果をみれば、成功が単に目的地への到達ではなく、「旅そのもの」であることがよく
            わかるだろう。どんなに長生きしようが、人生でどのような選択をしようが、あなたの潜在能力
            は無限であり、成長する力が尽き果てることもない。人を助ける機会が枯渇することもない。

            【3】成功者の三大鉄則

            「人生の目的を知ること」は、何よりも重要なポイントだ。人生における目的を決めない限り、
            最高の結果を出すことはできない。人は何らかの使命のために創造されていると信じている。
            人の果たすべき責任は、そしてもっとも喜びとすべきことはその目的を見出すべきことなのだ。

            成功とは、自分の持っている潜在能力をどこまで伸ばせるかにかかっている。私たちには、
            多くの未開発のままの能力が眠っている。「自動車王」ヘンリー・フォードの言葉を借りるなら
            「自分ができると思っている以上のことができない人間はいない」のだ。

            成功の旅にはもう一つ欠かせないものがある。それは、「他人を助ける、育てる」ということだ。
            それなくしては、成功の旅も孤独で、味気ないものになってしまう。生きていくためには生活の
            糧を手に入れなければならないが、人生を意味あるもにするには何かを与えなければならない。

            【4】夢を実現する戦略ノート

            成功への旅で忘れてはならないのは、旅はひとりでに進んでいくわけではなく、旅人自らが
            計画がたてなければならないということだ。事前に計画し、目的地が分かっていれば、旅を
            うまく進められるだけでなく、余裕を持って、楽しみながら旅ができるだろう。

            自分だけの戦略ノートの書き方のポイントは、「どこまで『自分を成長させる夢』を明確に
            描けるか」、「『見直し、書き直し、更新』を面倒くさがらない」、「頭の中だけではダメで、
            必ず紙に書くこと」、「自分の力だけで実現できるものを書く」等があげられる。

            「戦略ノート」は以下の問いに答えることで完成する。早速活用してほしい。
            1、自分の夢を「実践」で、しかも、「締め切り」を入れて書く
            2、「今の自分」の「資質」を洗い出す
            3、夢、現実への「理念」を書く
            4、「成功への旅」の進行度をたえずチェックする


            ■選書コメント

            今週は齋藤孝先生特集です。

            齋藤孝先生ご推薦、翻訳の「リーダーのリーダー」と呼ばれている、世界第一級の「メンター」
            のマクスウェル氏を選書しました。

            「いかに自分の願望や夢を実現し人生で成功をつかむか」についてのルールがまとめられてます。
            前半では、戦略の大前提にある、「ゴールとは何か」に主題が置かれています。ただの成功哲学
            にとどまらず、どのように生きるかという深い問いも発しています。

            本書は、理念だけにとどまっていません。自分の可能性を最高度に発揮する7つの習慣や、
            忍耐強く自分をコントロールする5つのテクニックなど、具体的な方法も述べられています。
            また、旅を進めるうちに出会うであろう困難の対処法も7つの力を軸にご教授いただけます。

            どの本でも齋藤先生の著書は、まえがきや、あとがきにも読みどころ満載なのですが、この本の
            まえがきは特にハイなテンションをひしひしと感じることができます。まさに、

            「ミッション、パッション、ハイテンショーン」を深く味わえる一冊です。

            | 齋藤孝 | 12:22 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            呼吸入門 齋藤孝
            0
              ■今日のメンター
              ■呼吸入門
              ■齋藤 孝
              ■著者紹介
              1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科学校教育学
              専攻博士課程等を経て、現在は明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、
              コミュニケーション技法。主な著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社、
              毎日出版文化賞特別賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)など。


              【1】 呼吸入門

              すべての生き物は息を吸ったり吐いたりしています。普通に生きていると、呼吸はあまりにも
              当たり前で自然な体の作用です。息の仕方を誰かに教えてもらったり、伝えたりということは、
              普段少しも考えられないことかもしれません。実はしかし、「息」は一つの身体文化なのです。

              日本人は、呼吸というものに関して、はっきりとした固有の文化を持っていました。
              今、それは急速に失われつつあります。このままではかつての優れた日本人の呼吸の仕方は
              完全に廃れてしまいます。ここで、呼吸について見直しておかなくてはいけません。

              人生の幸せ、喜びとは何かと言った時に、私は「まさに呼吸である」と確信を込めて言いたい。
              自分の生命に対する畏敬の念は、今ここにある自分の息を感じることで確かにつかみとれます。
              呼吸という精妙な生命の働きの不思議さに心打たれ、息を見つめ直すことが「呼吸入門」です。

              【2】 なぜ呼吸力か

              「エネルギー排気量は呼吸の強さ」で量られる。深い呼吸の力を持った人が穏やかに話して
              いても、そこには自ずと迫力がでる。からだに張り付いているその人の呼吸力が人間の精神力や
              行動力と深く結びついている。

              例えば、一流の役者は、立っているだけで絵になり、存在感があまりにも圧倒的でみんなを惹き
              つける。オーラが伝わってくる。それを支えているのが呼吸であり、呼吸の力が空間を支配する。

              「高い集中力が持続」でき、「心身の状態を常に一定させること」が容易になる。
              心が平静で気持ちのいい状態を維持できるようにするには、呼吸を全うさせればいい。これは、
              息を途中で止めないこと。例えば、「ムカツク」とは、みぞおちが固く胸につかえる感覚の状態。
              これは息を浅く吸ってばかりいることで、心身が平静な状態になれないのが原因である。


              【3】呼吸法の要(かなめ)

              「息をどれだけ深く長く続けることができるか」息が短いということは、脳の働きの持続力が
              短い、さらに安定した心の状態を保てる時間も短い。気が散りやすく精神が乱れやすい。
              脳味噌の働きを支えるだけの呼吸が不可欠になってくる。

              「息と動きをどれだけ連動させることができるか」テンポのいい動きは、必ず呼吸と連動して
              いるものです。呼吸のテンポは行動のテンポとなり、呼吸の強弱は行動の強弱となって現れる。
              安定した強い呼吸により、リズムが良く流れ出したら、人間は疲れない。

              「呼吸法の基本」は、赤ん坊の呼吸に戻ること。
              息がゆったり入ってきて、波が頂点に行ったらそれでゆっくり落ちて、吐き切ったら上がって
              くる呼吸をじゃませずに感じとるだけ。これが基本の呼吸法になる。

              【4】 「三・二・十五」の齋藤式呼吸法

              鼻から三秒息を吸って、二秒お腹の中にぐっと留めて、十五秒かけて口から細くゆっくりと吐く。
              必ず息を「留める」時間を置き、「ゆっくりと少しずつ息を吐く」ということがポイントになる。
              意識は丹田(おへそから指三本分下の位置)に持っていってゆったりとしたお腹で息をする。

              吸う時には、必ず、「鼻から息を」吸うようにする。呼吸は正しくは、鼻でするものだ。事実、
              鼻から吸うことで、脳に酸素がいきわたりやすく、意識は覚醒し精神は安定できる。これは、
              科学的根拠のあることなので、「口を意識して閉じること」が鼻呼吸のコツになる。

              6セット、2分間、集中して続けることから始めてみよう。このリズムが身体に
              染み込んでくると、長い時間でも楽にこのゆるやかな呼吸を続けられるようにななる。

              ■選書コメント

              今週は齋藤孝先生特集です。

              本書では、日常なんとなく過ごしているが、なくてはならない非常に重要な呼吸について、
              考える機会を与えてくれました。

              日本にはもともと呼吸文化が根付いており、それがなぜ廃れてきたのかについていも、
              紹介されています。和服や薪割りが呼吸文化を築いたことや、また、戦争や近代化による
              呼吸文化との関係等、さらに、人間関係やアイデンティティまでと興味深い話が満載です。

              第5章では、「教育の基盤は息である」と題し、教育に関しても呼吸の重要性を述べられて
              います。身体論と教育はどちらも齋藤先生の専門分野です。1997年には、
              「教師=身体という技術」世織書房も出版されています。教育に興味をもたれている方は
              5章だけでもオススメです。
              | 齋藤孝 | 12:19 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              段取り力 齋藤孝
              0
                ■今日のメンター
                ■段取り力
                ■齋藤 孝
                ■著者紹介
                1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、現在は明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。主な著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社、毎日出版文化賞特別賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)など。

                【1】「段取り力」って?

                特別な天才や芸術家を除けば、私たちの間にそれほど大きな才能や能力の
                差はない。ただ段取りのいい人と悪い人がいるだけだ。

                普通は、何かに失敗したとき、自分には才能がないとか、能力がないと言ってしまう。しかし才能や育ち、環境のせいにしてしまうと改善のしようがない。改善のしようがないから、努力もしない。

                だが、「段取りが悪かったからうまくいかないんだ」と考えることで
                対処法が違ってくる。段取りを組み替えれば現実が変わっていく。
                このように考える癖をつけるために「段取り力」のコンセプトは有効だ。

                【2】 「段取り力」の効用

                「段取り力」という言葉は、領域に限定されない。何かで培った「段取り」は他に移すことができる。一芸に秀でた人は他のことをやっても大丈夫だといわれる。つまり、一芸に精通すると、その内部の段取りが分かり、他にも応用できるのだ。

                何かに臨むとき、段取りのイメージをつかんだ上で入っていくのと、そうでないのとでは効果に大きな差ができてしまう。

                根本的な人間性はなかなか変わらないが、「段取り力」は明らかにちょっとした意識化と練習でのびる。誰でも鍛えることができる。

                【3】 「段取り力」を行う際のポイント。

                「段取り力」にはいくつかタイプがあり、それぞれの人に合った「段取り力」がある。 
                例えば、緻密さ。突発的な事件や出来事を楽しめるタイプであれば、あまり細かい段取りを計画する必要はないが、予定がのことに対処できない人には、ある程度の計画が必要になる。

                「大筋を外さないことと優先順位を間違えないこと」物事を行うとき、最大の鍵になるポイントに最大のエネルギーを注ぎ込むことが成功の秘訣である。その人の、能力いかんというよりは、そのエネルギーの使い方次第が肝心となる。

                【4】 「段取り力」を身につけるには。

                優れた「段取り力」の手本を取り上げ、その「段取り力」を見抜く。繰り返すことで、優れた「段取り」が技化され、自分の「段取り力」を鍛えることになる。ヒット商品やアイディアを「デザインシート」に落としていくのが「段取り」把握の近道である。

                「何のために何をやる」というのは根本的な「段取り力」。それがないと、努力しても的外れになってしまうし、努力が無駄になる。だから「段取り力」を鍛えるやり方として今何のためにやっているのか、ということを意識して口で言う、あるいは意識化する。

                自分の中にある「段取り力」に目覚めることが、「段取り力」を技化する第一歩である。
                自分が得意とする比喩で、無理やりにでも全部を見てしまう。そこに領域を超えて「段取り力」を磨いていくコツがある。


                ■選書コメント

                今週は齋藤孝先生特集です。

                「段取り力」というと、「マニュアル」に近いものかなという感じがありますが、「自分で手順を決めること」ができることに、決定的な違いがあると本文に述べられています。

                また、「戦略」と同じじゃないのという感じもしますが、仕事や勉強だけでなく、スポーツや、遊びや、パーティーなどの分野を想定した場合や、領域を超えるというイメージをもったときには、「段取る」という語感が、よりしっくりくるのではと思います。

                本書には、より細かな「段取り」の「ポイント」・「鍛え方」が紹介されています。そして、段取りを踏まえた「整理整頓術」や「コミュニケーション」について述べられており、日常生活に応用できるようなヒントも随所に見受けられます。

                学業や、仕事に限らず、趣味はもちろん、恋愛まで応用ができるのでは?
                すべての人にお勧めの一冊です。


                | 齋藤孝 | 10:45 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                「できる人」はどこがちがうのか 斎藤孝
                0
                  ■今日のメンター
                  ■「できる人」はどこがちがうのか
                  ■齋藤 孝
                  ■著者紹介
                  1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科学校教育学
                  専攻博士課程等を経て、現在は明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、
                  コミュニケーション技法。主な著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社、
                  毎日出版文化賞特別賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)など。


                  【1】
                  日本語の「できる人」や「アイツはできる」というときの「できる」は、
                  狭い領域での能力を指すものではない。特定の領域に限らず、
                  「どの社会でも、できる人」のことを意味する。

                  ではどうすれば、どの社会でも、「できる」ようになれるのだろうか。
                  たしかに「できる人」の多くは、天賦の才能の持ち主であるのは否めないだろう。
                  しかし、その「できる人」に共通する才能とはいったいどんな能力だろう。

                  結論から言うと、「上達の普遍的な論理」を持つこと、どこの社会に行っても、
                  そこで「上達のプロセスを見通してやっていくこと」のできる力のことである。

                  【2】
                  「上達の普遍的な論理」とは、「基本的な3つの力」を技を活用しながら、
                  「自分のスタイルを作り上げていく」ということである。

                  この力を身につけることにより、初めてのことでも自信を持って取り組めたり、
                  困難でも達成できる信念があるため精神的に強くなる。また、見通しを持つことで、
                  消費されるエネルギーがまったくことなってくる。

                  そして、何より、自分なりのスタイルを確立していくことは、自分らしさにも
                  つながる。「自分らしさ」を気づいていくことは楽しいし、やりがいもある。

                  【3】
                  「基本的な3つの力」は、「まねる力」、「段取り力」、「コメント力」である。

                  「まねる力」では、うまい人のやることをよく見て、その技ををまねて盗む。
                  これは単なる模倣ではなく、本質的なものをいかに認識するかにかかっている。

                  「段取り力」は、個人の作業である以上に、数人がかかわる場をクリエイティブに
                  する力である。一人で考えたり悩んだりしていていてはうまくいかない。
                  成果を倍増させるためには、場をクリエイティブにする段取力が不可欠である。

                  「コメント力」は、要約して発表する力に限らず、他の人に対して質問やコメントまでが
                  できる力までを言う。

                  【4】
                  上達の秘訣は、「スタイルの確立」にある。その最も大きな理由は、人は習慣の集積であり、
                  そうした習慣の集積やあるいは癖といったものから逃れることはできない。そこで、それを
                  基盤に自分の得意技を仕上げていくことが、現実的で効率が良い方法になるからである。

                  一流の仕事の仕方には、その人独自のスタイルがあることが多い。はじめのうちは、
                  基礎的な技術をマスターする必要がある。その上で、他に抜きんでた仕事を為すためには、
                  自分の得意技を持ち、自分らしさが発揮できるスタイルの確立が大きな課題となる。

                  【5】
                  「できる人」は、「どの社会でもできる人」のことを言う。
                  これはある領域の領域の上達方法ではなく、領域と領域の間を「またぎ越すもの」である。

                  スポーツをすることと勉強をすることと仕事をすることは、基本的に同じ論理で捉えられる。
                  「またぎ越すヴィジョン」を持つとき、同じ事柄でもまったく意味が変わってくる。

                  基本的な力を身につけ、スタイルを磨き、そして「またぎ越す」コンセプトを持つことが、
                  「できる人」の「上達の秘訣」である。


                  ■選書コメント

                  今週は齋藤孝先生特集です。

                  本書は、「声に出して読みたい日本語(草思社)」以前に発刊されたので、
                  ご存じない人も多いかと思います。が、メジャーデビューの前です。
                  一節一節に、齋藤孝先生の考えや、教育や社会に対する思いがこめられています。

                  「3つの力」に関しての入門書は、「子どもに伝えたい<三つの力>」NHKブックスが
                  お勧めです。また、現在は、それぞれ「段取り力」筑摩書房、「コメント力」筑摩書房等も
                  出版されています。スタイルに関する本も数多く出版されています。

                  本書のキーワード、は「スタイル」と「上達」ですが。これらは相互に関連しています。
                  スタイルがあることで、上達する。上達する中で、スタイルが磨かれていきます。

                  サンチャゴのスタイルは・・・、まずは3つの力から始めます。
                  | 齋藤孝 | 14:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |