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愛するということ
愛するということ (JUGEMレビュー »)
鈴木 晶, Erich Fromm, エーリッヒ・フロム
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教員ドットコム 教育関連おすすめレビュー


様々な方面で活躍されているメンターの方のお話を紹介していきます。

陰山式モジュール授業の実践
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    ■今日のメンター
    ■陰山式モジュール授業の実践
    ■陰山 英男
    ■小学館
    ■著者紹介
    1958年兵庫県生まれ。1980年岡山大学法学部卒業。1989年4月より兵庫県朝来町立山口小学校教諭。着任直後より生活習慣の改善と『読み書き計算』の反復練習を二本の柱として学力向上にとりくむ。2003年1月、「学校裁量権の拡大」の研究校として指定された広島県尾道市立土堂小学校の校長に公募から選ばれ、4月就任。カリキュラム編成から学校づくりにとりくむ。同小では著しい成果をみせている。2006年4月より、京都市北区に開校の立命館小学校副校長兼立命館大学教授に就任。2006年10月、政府の教育再生会議委員に就任。



    【1】 基礎的な学習能力は高まる

    今までの日本の教育は、子どもたちの基礎的な学習能力が高まるということを想定していませんでした。子どもの能力は一定のものとして、どのような手段や方法で子どもたちを学習させていくことがいいかという、教材中心の考え方でカリキュラムが考えられてきたのです。

    でも、ここに至って、その発想を根本から改めなければ、新しい段階の指導はあり得ません。新しい教育をするために効果的な、新しい指導方法を開発し、着実に結果をだしていくことが重要と考えるべきでしょう。

    土堂小学校における実践の最大の成果は、子どもたちの脳は、予想以上に、短期間に、簡単な方法で、高度に鍛えることができるということを発見し、さらにその指導法を誰でもできる形で提案できたことにあります。その指導法こそが「モジュール授業」です。


    【2】 「モジュール授業」とは

    読み書き計算の重要な点は、第一に全学級がいっせいに行うことです。学級や学年を超えて情報交換が行われ、相乗効果がでてきます。第二に、実践がもっとも効率的にできる朝に行うこと。脳が活性化された状態で授業に入れます。そして、第三は、毎日することです。

    最大の問題は、どの授業時間に繰り込むかでしたが、土堂小学校ではこのように行っています。45分授業を15分×3として、音読15分、計算15分、その他15分として、週3日・1時間ずつ、モジュール授業の時間としました。国語、算数、学校裁量のそれぞれ1時間をあてました。

    当初こうした実践に疑問をもっていた先生方も、わずか3年でこの実践を多くの人の前で語るほどにまで変化しました。それは、多忙に苦しむ教職員を楽にすることができたからです。想像してみてください。ひと通り説明しただけで、だいたいの子が学習内容をきちんと理解できるという授業を。


    【3】 「モジュール授業」のポイント

    「モジュール授業」を指導するに当たって注意すべき点は「スピード・テンポ・タイミング」です。3つの中で重要なのはスピードです。一般的に授業は「ゆっくりじっくり」がいいと思われていますが、どうも脳はスピードに反応するようです。

    「モジュール授業」では、このスピードやテンポにすべての子どもたちがきちんとついて来ているかどうかをきちんと見極めることが、最も重要になってきます。「ついてこれない子も多い。だからだめ」というのではなく、なぜできていないのかを分析し、次の指導に生かすことが絶対に必要です。

    できてない部分を抽出し、全体でも個別でも、そこを繰り返してできるように努力することが必要なのです。そうして、全員をしっかり伸ばすという努力をすることが望ましいのです。


    【4】 成果が物語る子どもたちの可能性

    まずは家庭の協力による「早寝早起き朝ごはん」の生活習慣の徹底で、子どもたちを元気に学校に送り出していただくこと。そして、読み書き計算の反復学習で、子どもたちの脳のパワーを高めていくこと。この実践の有効性は標準学力調査でトップクラスの成績を収めたことでも明らかです。

    土堂小学校は学力による選抜は行っていません。この結果が示すこと、それは学力的に選抜された子どもたちと同じレベルまで向上することは、子どもたちと周囲の大人たちが望めば可能だということです。

    何よりもいいことは、子どもたちが学校を楽しいと言い、早朝、笑顔で元気に登校してくれるようになります。子どもたちの脳のレベルが一段と上がったとき、クラスにどのような変化が生じるか、実践され、子どものたちの伸びを目の当たりにされたとき、この意味をご理解いただけることでしょう。


    ■選書コメント

    今週のメンターは陰山英男先生です。

    先日も申し上げましたが、私の母校は陰山校長で有名になりました土堂小学校です。その関係もあり、昨年一時広島に帰省していたときに、公開授業に2度、陰山校長の講演会に3度に出席しました。

    そのときの子どもたちの生き生きとしている授業風景はとても衝撃的でした。20年前同じ教室に自分が座っていたのとは随分違うなぁと。「さすがすごいな3年生か4年生ぐらいかな」と思って教室の札をみたら1年生と書いてあり目を疑いました。

    それでこの秋にまた研究授業があるという情報を得たので、最後の機会だと思って往復2〜3万交通費がかかりますけれども、ビデオにおさめておこうと、帰省を考えていました。そうしているところに、なんとグッドタイミングで、本書が発売されいたのです。

    この本には、DVDでモジュール授業が収録されています。な、なんと収録時間は1時間48分で、2,200円です。おもわず2冊買おうかと思いましたが、気を静めて1冊のみの購入にとどめました。この容量で、この価格は、とてもお得です。

    演劇や、スポーツを映像で観るようなイメージにはなりますので、実際よりも迫力はやや減っていますが、雰囲気や実践の意味は十分読み取れる内容です。結局陰山式ってどうなのかなぁ、という疑問をお持ちの方はぜひご覧ください。



    | 陰山英男 | 14:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    学力の新しいルール
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      ■今日のメンター
      ■学力の新しいルール
      ■陰山 英男
      ■文藝春秋刊
      ■著者紹介
      1958年兵庫県生まれ。1980年岡山大学法学部卒業。1989年4月より兵庫県朝来町立山口小学校教諭。着任直後より生活習慣の改善と『読み書き計算』の反復練習を二本の柱として学力向上にとりくむ。2003年1月、「学校裁量権の拡大」の研究校として指定された広島県尾道市立土堂小学校の校長に公募から選ばれ、4月就任。カリキュラム編成から学校づくりにとりくむ。同小では著しい成果をみせている。2006年4月より、京都市北区に開校の立命館小学校副校長兼立命館大学教授に就任。2006年10月、政府の教育再生会議委員に就任。



      【1】 学力と睡眠の関係

      1981年あたりから学力の低下、子どもたちは荒れ始めます。その80年代とは、安いテレビ、レンタルビデオ、それからテレビゲーム、こういうものが、急速に子供たちのなかに普及していったときです。結果、睡眠時間の急速な減少が起きることとなりました。

      では、こうした睡眠不足は学力にどのように影響していくのでしょう。広島県が行っている学力定着度調査の結果では、睡眠時間4時間の子どもが5時間台に増えただけで、平均点が10点以上上がってきます。7、8、9時間ぐらいだとだいたい平均点が70点台で成績が安定してくるのです。

      そして、次は朝型への生活改善です。子どもたちの劇的な向上に成功する要因は、百ますでしょうか、漢字学習でしょうか。それが違うのです。特別な方法があると思っている人は多いですが、それこそがもう錯覚なのです。学力を劇的に向上させるのは、朝型に切り換えることなのです。


      【2】 朝食を食べている子ほど学力は高い

      それからもう一つの問題が食事です。「食あたりに使われる食材の数と、テストの成績との相関関係」を調査した結果、1食に使われる食材の数が4食以下の場合だと成績が悪い。そして、いろんなものをたくさん食べさせると成績が上がっていく。しかも種類と成績は正比例状態だとわかりました。

      食事の中でも朝ご飯は特別重要になります。学力を上げようとしても、朝ご飯を食べていないと、とにかく朝ぼやーっとしてしまいます。文部科学省の調査でも、「必ず食べる」と「たいてい食べる」を比べてただけでも、実に1割近くの平均点の低下を見ることができます。

      もう一つお願いしたいのは、家族団欒を大切にしてほしいということです。音読と同じほど脳が活性化するのは「家族との対話」です。実は、難しいと思われていた頭をよくする方法が、食べて、寝て、家族同士で会話するという人間にとってごくごく当然の営みだったということなのです。


      【3】 個性は、苦しい努力のむこう側にしかない

      「新・学力観」にどこが問題あったのでしょう。もっとも問題だったのは、個性尊重という概念の解釈と運用です。もちろん個性を尊重するのは当然なことです。しかし、能力の低さも個性のうちと理解されたことで、指導が迷走をはじめたのです。

      学校でやっている学習は社会生活を営む上で、最低限にしてもっとも基礎的なものです。やってもいいし、やらなくてもいいというものではありません。大人になれば、働かなくてはなりません。これは憲法に規定された国民の義務です。やりたいことの前に、まずやらなければならないことがある。

      私はよくこんなことを子どもたちに言いました。「笑いながらできるものは誰でもできるものだ。それを個性とはいわない。人がそう簡単にできないことができるから個性なのだ。つまり、個性は、苦しい努力の向こう側にしかない。だから、苦しめ」


      【4】 学力と元気の関係

      実社会では、すべて成功していくことはあり得ません。いろいろな失敗をします。しかしそこから人は学び、立ち上がって次の高い段階をめざします。そうした根性こそもっとも必要なものでしょう。

      「そうは言っても、東大へ行けばどんな不況のときも、就職率もだんぜんいいではないか」と人は言います。しかし、最近、仕事がら東大を出られた方といっしょになる機会があります。接してみて思うのです。東大を出ているからすごいのではありません。すごいから東京に入っておられるのです。

      逆に、東大を出たからといってすべての人がすごいというわけではないということです。いい仕事をしている人に共通しているのは元気です。この学力と元気との関係が理解されたとき、そこから学力低下問題の解決が始まるのです。



      ■選書コメント

      今週のメンターは陰山英男先生です。

      陰山先生のモットーは、「『常識』じゃなくて『目の前の子どもの事実』を信じよう」です。その結果、陰山メソッドと呼ばれる実践が数多く世に生まれることとなりました。同時に、これらの新たな教育手法は、「『常識』じゃないため」に、常に批判の的となってきました。その批判の中でたくましく鍛え上げられ、完成されたのが本書です。

      今まで山口小学校や土堂小学校での経験による成果が中心でした。それに加え、多く実践・追試が行われたことや、睡眠や食事への関心が高まることで様々なデータの追跡研究、蓄積がたまってきたことにより、陰山メソッドの裏づけと、メソッドのさらなる発展をみることができます。

      今ままでの著作が実践編とするなら、こちらは理論編です。加えて、学力の国際比較や、フィンランドの教育、教育改革など教育に関する時事も満載で、オススメの1冊です。

      余談ですが、私はこの本を購入したのはちょうど昨年の今頃の時期の陰山先生の講演会の時で、「一日入魂」とサインしていただき、さらに、写真も一緒にとってもらいました。アップしておきます(笑






      | 陰山英男 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      学力は家庭で伸びる
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        ■今日のメンター
        ■学力は家庭で伸びる
        ■陰山 英男
        ■小学館
        ■著者紹介
        1958年兵庫県生まれ。1980年岡山大学法学部卒業。1989年4月より兵庫県朝来町立山口小学校教諭。着任直後より生活習慣の改善と『読み書き計算』の反復練習を二本の柱として学力向上にとりくむ。2003年1月、「学校裁量権の拡大」の研究校として指定された広島県尾道市立土堂小学校の校長に公募から選ばれ、4月就任。カリキュラム編成から学校づくりにとりくむ。同小では、全校生徒の平均偏差値が2年間で52から59まであがるなど、著しい成果をみせている。


        【1】 学力は人間の総力戦

        子供時代を犠牲にし、時には心身の健康を害してまでやらなければならない勉強は、絶対に間違っていると声を大にして言いたいです。健康的な生活と基礎基本の学習、そして集中力を身につければ、夜中まで勉強しなくても大学に入れるのです。

        学力とは、机に長時間向かってさえいればつくようなものではないのです。体験も大事です。感動したり、不思議と思ったり、探究心、壁を乗り越えていける力、すべてが学力に含まれます。いわば、総力戦です。その総力戦を支えているのが、集中力です。

        だらだらと長時間勉強をし続けていては、肝心なときに集中力を発揮できなくなってしまいます。そして、その集中力は、元気だからこそ発揮できるのです。親は「勉強しなさい」と言うよりも、子供が元気に毎日を送れるように気を配ることのほうが、はるかに大切なのです。


        【2】 あいさつができる子は友達が多い

        子供の顔を見れば、だいたい何を考えているかわかるのです。口にださなくてもちゃんと顔に書いてあります。私が、子育てに理屈はいらない、いちばん大切なのは子供をよく見ることだ、と主張するのもそこなんです。「ただいま」の声が聞こえたら、顔を見て「お帰り」と迎えてあげてください。

        また、あいさつはコミュニケーションの第一歩です。声に出すからこそ伝わるんです。朝、登校する子供を「いってらっしゃい」と元気に送り出してあげてください。きちんとあいさつのできるほど情緒が安定していて、成績がよい場合が多いです。人に好かれ友人もたくさんいます。

        気力、体力、さらにコミュニケーション能力のどれかひとつ欠けても、元気にあいさつすることはできません。あいさつは子供の元気のバロメーターと言ってもいいかもしれませんね。


        【3】 本を通して親の価値観を伝える

        私は「子供にテレビを長時間見せてはいけない」と主張し続けています。それは、子供たちに落ち着きがなくなり、授業に集中できなくなるからです。なぜ、子供たちはそんなにテレビを見るのでしょうか。理由は簡単、テレビ以上に興味を引くもの、刺激を受けるものが家庭にないからです。

        テレビよりもおもしろいものがあることを、ぜひ子供に教えてあげてください。そのひとつが本です。時間を忘れるほどおもしろい本に出合えると、子供はテレビを見る暇があるのだったら、本を読もうという気になります。毎日30分間、3年続けるとたいていの子供は本が好きになるものです。

        ぜひご自身が学生時代に感銘を受けた本を、すすめてみてください。毎日の生活の中で、親の価値観や人生観といった話はなかなかできませんが、本を通じてなら伝えられます。子供が共感することもあるでしょう。私は特に父親は人生観を伝えるべきだと考えます。本はその最良の手段なのです。


        【4】 壁にぶつかっても手をかさない

        「将来、受験で子供に苦労させたくないから、大学までエスカレーター式の学校に入れたい」という母親の話を聞いて、私は首を傾げたくなったことがあります。私立に入れることがいけないとは言いません。しかし「子供に苦労をさせたくないから」という理由には賛成できません。

        勉強にストレスはつきものです。わからないことがわかるようになるために勉強をするのです。子供にストレスがあるのは当然のことです。苦労や、悩みがあっていいのです。子供はそれを乗り越えて成長するのです。問題はそのストレスや悩みの程度を知り、親が寄り添い、一緒に悩めるかです。

        ストレスも悩みもなく大人になった人なんていません。私たち自身を振り返ってみてください。なとか乗り越えてきたではないですか。ストレスに打ち勝つ力をつけるチャンスを親が奪ってはいけないのです。





        ■選書コメント

        今週のメンター陰山英男先生です。

        本書は家庭でできる41の陰山メソッドが紹介されています。陰山先生はもともとは一教諭の立場のため、対教師向けよりも、対家庭向けの内容のものが多かったです。その決定版がこちらです。

        社会の変化に伴い家庭の求心力が低下してきており、いわゆる家庭での教育力が低下してきています。忙しすぎたり、逆に情報過多のため不安になったりと家庭の教育に方針が持てないということもあるかと思います。

        この本では41種類の提案がなされているので、1つ、2つでも興味のあるもの、できそうなものから順次取り組んでいけます。さらにその一つひとつの提案に、陰山先生の思いやねらいも詳しく述べられているので単純なハウツー本ではないという魅力もある一冊です。


        | 陰山英男 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        学力はこうして伸ばす!
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          ■今日のメンター
          ■学力はこうして伸ばす!
          ■陰山 英男
          ■学習研究所
          ■著者紹介
          1958年兵庫県生まれ。1980年岡山大学法学部卒業。1989年4月より兵庫県朝来町立山口小学校教諭。着任直後より生活習慣の改善と『読み書き計算』の反復練習を二本の柱として学力向上にとりくむ。2003年1月、「学校裁量権の拡大」の研究校として指定された広島県尾道市立土堂小学校の校長に公募から選ばれ、4月就任。カリキュラム編成から学校づくりにとりくむ。同小では、全校生徒の平均偏差値が2年間で52から59まであがるなど、著しい成果をみせている。


          【1】 学力は三層構造

          学力というのは三層構造でつくられます。まず底辺には「健全な生活習慣」があって、その上に「基礎基本の学習」と「読み書き計算のトレーニング」があり、さらにその上に「多様な学習」があります。その基本構造が意識されていないと失敗します。

          底辺がないのに突然一番上の層に飛びつけば、「とにかく体験的な学習を重視しよう」となって学力低下を起こします。そうすると今度は「学力低下だ、じゃあ読み書き計算トレーニングを重視しよう」といって2つめの層に飛びつく。そうすると子どもたちに過剰な負担がかかってしまいます。

          子どもたちに「やらせてもダメ、やらせなくてもダメ」だという原因は、最下層、つまり生活習慣を無視していることです。寝不足のままご飯も食べさせないで「百ます計算」をやったらキレますよ。そりゃあたりまえです。


          【2】 覚悟を決めて子どもを伸ばす

          「早寝早起き朝ご飯、テレビは2時間以内で」これは私が何よりも強く訴えてきたことです。しかし、これは結局、各家庭の生活リズムを変えさせようという提案です。それを家庭が「わかりました」と了解することは普通ではありません。まずは学校・教師自身が覚悟を決める必要があります。

          最終的に「子どもを伸ばす」という、たったひとつの尺度で物事を考えられるようにならなければ、覚悟は決まらないのです。大変だとか面倒だとかこうやればうまくいくとか、方法論ではなく、やった結果が「子どもが伸びればそれでいい」ということ、すべてその基準で考えればいいのです。

          いくら教師が夜中まで頑張って教材を作って残業しても、それで子どもが伸びないなら意味がありません。現段階で子どもの学力低下の原因が、生命力の低下になるなら、生命力を伸ばすしかない。そのために自分はどこまで頑張れるか、それだけのことです。


          【3】 教師に必要な3つの「目」

          「子どもを見る目」
          何が必要なのか、それを見極める力です。答えは常に目の前の子どもの中にあります。そして、できない子伸ばすことことから逃げないでそこにある事実に立ち向かってほしいと思います。

          「時代、社会を見る目」
          子どもたちに身につけさせた力が、果たして社会に意味があるものなのかどうかを見極める目です。教師の勝手な思いで指導して、ああ良かった、なんてそんな独りよがりなことは許されません。

          「自身の実践を評価してもらう目」
          子ども同様、教師も自分のやっていることをきちんと社会に評価してもらわなければなりません。自己満足では、どんなにいい実践も、継続が難しい。評価されることで意欲も元気も増すのです。


          【4】 周囲の期待が子どもを伸ばし、自信を生む

          難しい問題が解けたら、誰でも嬉しい。その喜びが、自信につながる。自信がつくと、もっと難しい問題に取り組めるようになり、成長する。その成長の喜びが、自信を生む。この好循環が子どもを伸ばすのです。

          もしこれができないのだとしたら、その理由は、我々大人が、子どもが伸びることを信用していないからではないでしょうか。実は、私も最初は信じていませんでした。でも、子どもが成長するのを目の当たりにして伸びるのを見るのがやみつきになりました。子どもは予想以上に伸びてくれます。

          そして、予想を超えて子どもが成長したら、もう心の底から褒めるしかありません。褒められた子どもは自信がついて、もっと頑張ります。そしてまた伸びて褒められる。やってみればわかることですが、すごく単純なことなのです。


          ■選書コメント

          今週のメンター陰山英男先生です。

          本書は陰山メソッドの本質、実践例が丁寧に紹介されています。また、百ます計算&漢字プリントなどが収録されたCD−ROMも付いています。

          山口小学校での実践が熟成されており、フラッシュカードや、そろばん、インターネット、英語学習など最新のメソッドも収録されています。「陰山先生=百ます計算」との認識が強いですが、それ以外にも多くの発見がある一冊です。



          | 陰山英男 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          『読み・書き・計算』で学力再生
          0
            ■今日のメンター
            ■『読み・書き・計算』で学力再生
            ■陰山 英男
            ■小学館
            ■著者紹介
            陰山 英男
            1958年兵庫県生まれ。1980年岡山大学法学部卒業。1989年4月より兵庫県朝来町立山口小学校教諭。着任直後より生活習慣の改善と『読み書き計算』の反復練習を二本の柱として学力向上にとりくむ。2003年1月、「学校裁量権の拡大」の研究校として指定された広島県尾道市立土堂小学校の校長に公募から選ばれ、4月就任。カリキュラム編成から学校づくりにとりくむ。同小では、全校生徒の平均偏差値が2年間で52から59まであがるなど、著しい成果をみせた。


            【1】 基礎学力をきたえる意味

            学校教育をコマにたとえるなら、「基礎学習」はコマの軸と言えます。コマには軸と、ふくらみが必要です。まず、しっかりとした軸があり、その周囲にふくらみがついてこそ、すばらしいコマとなるのです。ふくらみとは、体験です。

            夕日を見て美しいと感じるのは体験で、それ自体意味があります。しかし、学力のついた子なら、その体験を詩や作文、絵にするでしょう。これが体験学習です。そうやって学習されたことは友達や家族と分かち合うことができます。見た感動を、人にわかってもらうこと、これが、学力の意味です。

            学力をつけてあげるということは、自分の心を人にわかってもらう喜びを、子どもに与えることです。そういう意味で学力なき体験では、限界があります。基礎学力を獲得して学び、そしてそれを人と分かち合う喜びを知った子は、自ら学び始め、止まることのないコマとなって成長していくのです。


            【2】 読む力を育てる

            文章の読解をやらせようとしても、音読でつまずいているようだと、満足な読解はできません。国語以外の教科でも、同じように音読による文章理解が必要と考えています。それで、国語に限らず、さまざまな教科で、音読を宿題にしています。

            音読を上手にするコツは、少しずつでも、全員の音読を、毎日聞いてあげることです。多くの子どもをチェックするには、読ませる量を少なくします。3行ほど読ませただけでも練習しているかどうかはわかります。そして、よくなるポイントを助言してあげることが大切です。

            もう一つ重要なのは、評価をきちんとすることです。これは読むことに限りませんが、新しい単元に入る場合は、単元の特色や予想される宿題、どの点をどう評価するかを、あらかじめはっきりさせて、子どもに伝えておきます。つまり、何をどうがんばればいいかを確実に伝えることが大事なのです。


            【3】 書く力を育てる

            新出漢字の学習は、教科書から切り離して進めることが基本です。その理由は、教科書の単元通りに学習していくと、学期末の漢字を復習する時間がなくなってしまうからです。漢字の習熟には、くり返して練習することが、絶対必要なのです。冬休みの宿題で漢字の層復習ができるようにします。

            子どもたちが漢字を間違える最大の要因は、実は熟語の意味がよくわかっていないことです。子どもは、習った漢字について、教科書にある熟語は書けても、その漢字が別の熟語で使われていると、まだまだ書けません。熟語から漢字の意味を知るやり方の方が子どもたちは理解しやすいのです。

            また、覚えるためのポイントは、「書き順」「部首」「音読み」「訓読み」など、これだけやればいいと限定することです。やることを限定して、それを徹底反復すると、たやすく覚えられます。こうした一つのやり方をずっと通すのが、子どもたちにとって合理的なのです。


            【4】 計算力をきたえる

            計算力は算数のかなめです。しかし、カリキュラムの関係上、教科書の構成通りの授業では、練習不足になってしまう危険性があります。そこで、毎日「百ます計算」をやって、計算力をつけています。

            たす・ひく・かけるの百ます計算が、それぞれ3分以上かかってしまうと計算上のミスが増え、5分を越えるようだと桁数の多い筆算などはできない、などの問題が出てきます。だいたい2分以内でできるようになると、基本的な算数の学習が問題なくできるような力がつきます。

            毎日少しずつ継続すること、タイムを必ず計測し、記録し、声をかけること、集中的な指導をすることが百ます計算が速くなるコツです。注意しなければいけないのは、ほかの子と自分を比べさせないことです。大切なのは自己新記録の更新です。そうして、みんなが自信をつけることを目指します。



            ■選書コメント

            今週のメンター陰山英男先生です。

            今まで溜め込んできた陰山先生の著書をついに読む機会となりました。陰山先生の著者は10冊以上購入しており、しかも『学力はこうして伸ばす!』『子どもは無限に伸びる』『学力再生』『学力は家庭で伸びる』『学力をつける100のメソッド』など、似通ったタイトルが多く、積読具合が進む一方でしたので、ここであらためて整理できました。

            本日は「読み書き計算」、明日以降は「学力の伸ばし方」、「家庭学習」、「新しい学力」、「モジュール授業」をテーマにした著書を紹介させていただこうと考えています。

            実は私の母校が、陰山英男先生が校長をされていた「土堂小学校」です。とてもなじみのある先生で今週のレビューは個人的にもとても楽しみです。

            | 陰山英男 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |