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愛するということ
愛するということ (JUGEMレビュー »)
鈴木 晶, Erich Fromm, エーリッヒ・フロム
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教員ドットコム 教育関連おすすめレビュー


様々な方面で活躍されているメンターの方のお話を紹介していきます。

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声に出して読みたい日本語 齋藤孝
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    ■今日のメンター
    ■声に出して読みたい日本語
    ■齋藤 孝
    ■著者紹介
    1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、現在は明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。主な著書に、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)など。

    【1】

    いま暗誦文化は絶滅の危機に瀕している。かつて暗誦文化は隆盛を誇っていた。しかし、今の日本では、詩や名文を暗誦や、朗誦が、当たり前ではなくなってきた。この本のねらいは、もちろん暗誦・朗誦文化の復活にあるわけだが、実はその大本には身体文化の復興というヴィジョンがある。

    この本に採録されたものは、文語体のものがほとんどである。古い言葉遣いには、現代の日常的な言葉遣いにはない力強さがある。身体に深くしみこむような、あるいは身体に心が通り、息が深くなるような力がある。

    歴史の中で吟味されてきた名文、名文句は、声に出して詠みあげてみると、そのリズムやテンポのよさが身体に染み込んでくる。そして、単に染込むだけでなく、身体に活力を与える。それはたとえしみじみとしたものであっても、心の力につながっている。

    【2】 

    暗誦が衰退した背景には、暗誦文化が受験勉強の暗記と混同されたという事情がある。年後の暗記や些末な知識の詰め込みに対しての拒否反応が強かったために、覚えること自体が人間の自由や個性を阻害すると思い込まれた。しかし、これは、言われなき混同である。

    現代日本ほど、暗誦文化をないがしろにしている国は稀なのではないだろうか。イギリスではシェイクスピアが、フランスではラシーヌなどが、学校教育で暗誦され国民の共通文化となっている。アジアや南アメリカ、アフリカといったところでも、口承文化が色濃く残っている。

    これらは、人の生きた身体を通して語られる言葉が、もう一人の身体へと伝えられていく文化である。みなが共通の古典テキストを暗誦していることによって、日常のコミュニケーションが、深い文化・伝統につながり、豊かな意味が醸し出される。また、世代間の信頼関係を強める効果もそこにある。

    【3】 

    詩は朗誦したり暗誦したりすることにこそ魅力がある。意味を解釈したとしても、暗誦できていないとすれば、その詩や名文の威力は半減してしまう。日本語の感性を養うと言う観点から見ても、暗誦に勝るものはない。最高のものを身に染み込ませることで、日本語の善し悪しが分かるようになる。

    日本語を体得するという観点からすると、子供の頃に名文と出会いそれを覚え、身につけることは、その後の人生に莫大なプラスの効果を与える。それらの言葉が、身体の内から発せられるとき、
    その人の存在感が増すように感じられる。身についたものは心身のありかたに影響を与える。

    また、年老いていくなかで幼少の頃に覚えた言葉が口をついて出てくると言うことがあれば、それは非常な喜びである。数十年の時を隔てても、自分の中に行きつづけていると感じられることは、人生を肯定する力となるののではないだろうか。

    【4】 では、どのように身につけるか?

    硬いものを食べてこそ、顎は強くなる。強い顎があれば、硬いものも柔らかいものもかみ砕くことができるが、弱い顎では、硬いものに含まれる栄養分を吸収することはできない。歴史のなかで吟味され生き抜いてきたものが母国語の強い顎をつくることになる。

    毎日数分間ずつでも繰り返す。最高のものを型として反復練習し、自分の技として身につける。

    適当なテキストを持つ。適当なテキストとは、選択の基準が暗誦におかれているもの、落語や歌舞伎、言葉遊び、あるいは禅や世阿弥など網羅されているもの、ついからだが動き出すような勢いや
    魅力をもったものができるだけ入っているものが望ましい。


    ■選書コメント

    今週は齋藤孝先生特集です。

    書店に特設コーナーが設けられるほどのブームとなった日本語本。その火付け役となったのが本書、「声に出して読みたい日本語」です。現在は、シリーズ化され、子供版や方言版まで出版されています。

    本書では、暗誦、朗誦文化復興、人生を豊かにするための身体知への取り込みが中心に紹介されています。今現在は、さらにそれらに加えて、東北大学・川島隆太教授の研究によって、「音読学習は脳を活性化する」ということが、科学的に証明されたことにより、能力開発の手段として注目を浴びてきています。

    以上の研究等により音読学習は、教育現場では、取入れられてきています。しかしながら、大人達(40〜50代まで)は、文化がなく、実践するまでにいたっていない部分があるかと思います。

    本書のシリーズを通じて、脳内開発はもちろんのこと、暗誦の良さや、身につけ方がわかり人生を豊かにする日本語文化が広まっていくと素敵だと思います。

    私自身も、日本語文化の継承とまではいっていないですが、学習前、読書の前に音読をするようにしています。すると、あきらかに集中力や、頭の回転が違うことが実感できます。

    「寿限無」や、「学問のすすめ」の一説は、暗誦できるようになり、ついつい、人に聞かせて
    みせるのですが、あきれられています。
    | 齋藤孝 | 13:37 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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