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愛するということ (JUGEMレビュー »)
鈴木 晶, Erich Fromm, エーリッヒ・フロム
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教員ドットコム 教育関連おすすめレビュー


様々な方面で活躍されているメンターの方のお話を紹介していきます。

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日本の教師に伝えたいこと
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    ■今日のメンター
    ■日本の教師に伝えたいこと
    ■大村 はま
    ■ちくま学芸文庫
    ■著者紹介
    1906年、横浜生まれ。1928年、東京女子大学卒業後、国語科教師として長野県の諏訪高等女学校に赴任。1947年、新制中学の教師に転出し、以来、単元学習など数多くのユニークで実践的な指導を重ねる。2005年没。

    【1】 いきいきとした教室とは

    「いきいきとした教室」というのは、単なる明るい教室とは違います。「ハイハイ」と手をあげている、そのような程度ではないのです。ひとりひとりが、それぞれに、確実な成長感というのでしょうか、一歩一歩高まっていってる、自分が育っている、と実感がもてる教室のことなのです。そして、教師その人が、成長の実感をしている教室のことです。

    教師の仕事はこわいもので、有り合せ、持ち合わせの力でやっていても、やさしく、あたたかな気持ちで接していれば、結構いい雰囲気を作れるものです。子どもはもちろん、父母や同僚とも、いい関係を持っていけるものです。いい教師で過ごせるものです。そこが、こわいところです。

    安易に流れず、人を育てるほんとうの仕事を見つめ、畏れながら力を尽くしたいと思います。何事かを加えて教室へ向かい、何事かを加えられて教室を出たいと思っています。「いきいきと」させるものは、そういうところから生まれてくると思います。


    【2】 問答のむずかしさ

    教師はよく「ほかに」「ほかに」と言いますが、その教師自身は、ほかに何を考えているのかしらと思うことがあります。こういう場合は、教師自身に発言してもらったほうがよほどよい。私はもっと教師がほんとうに聞きたいこと、聞かないと困ること、それを子どもに聞く機会をもつことで、ほんとうの問答の力、必要性もでてくると思います。

    「ほかに」「ほかに」とやっているうちに、とにかく答えることがいいんだ、考えることよりも答えることが大事だと心得る、そんなふうにならされていくわけです。答えられたときだけ褒められて、黙ってるいるとよくない。ほんとうの気持ちが表せることばでなくとも、とにかく適当に言おうとします。

    言おうとほんとうに思ったことではないことが、いちおう人に言えるということは、とても寂しいことのような気がします。別に悪いことではないと思いますけれども、しかし、あまり親友を得たり、ほんとうに人と交わる喜びを感じたりすることが、少しむずかしくなるのではないかと思うのです。


    【3】 しからない工夫

    話し合いの途中で子どもをしかるものではないと思います。心を暗くすると、たちまち声が落ちます。発言が鈍ってしまいます。話し合いのときは、機嫌をとるわけではありませんが、そんなさもしいことはしません。どんなこともカバーして、心を暗くしないことが、指導の配慮ではないかと思います。

    人の目の前でしかられたり、「もういっぺん言いなさい」などと言われることが、どんなに恥ずかしいく辛いことか。とても奮起するエネルギーにはなりません。たいていあとでしかっても間に合うことだったりします。40人の子どもを前にしからないと困ることは、まずありません。

    間違えた場合、「こうじゃなかったの?」などと言って、直させたりしないで、「こうだと思ったんだけど、そうじゃなかったのかな?」という言い方をすれば、子どもは、自分から直すでしょう。とにかくしからないで、教師の質問という形で、うまく話を聞きだすのです。


    【4】 目標を定めて

    ちょっとおもしろそうな、しかし、子どもの新鮮な感動を呼べない思いつきの授業がかなりあるようです。おもしろいでしょう。そういうばあいに、子どもはだいたいおもしろがるものです。珍しいことは子どもは何でも好きです。未熟ですから、珍しいものがあると、「わーっ」と思うのです。

    ほんとうに子どもから出発したと言えるかどうかと思うような授業でも、とにかく少し変わっているものですと、たいそうおもしろかった、よかったという感想をもつものです。そういうとき、教師もいっしょに、たいへんいい仕事をしたと思いすぎないようにしたいと思います。

    ほんとうに喜んでいいものと、それほどでもないものと、自分のやっていることの効果を、自分で見つめて自分で評価して、判断をしっかりもつことです。はっきりした目標をもって向かう、それがなければ、より優れた力を作ることはできないと思います。


    【5】 教師の工夫

    基礎学力というのは、現場の私たちがこんなふうにさせたい、それはどうしたらできるだろうか、と考える小さな工夫によって養われるようです。要求をそのまま口で言うのが一番だめです。こうしなさいとは言わない、言わないけれども、そうさせなくてはいけません。

    基礎というのは、そういうふうに、このことはどうすればできるか、それができるためにはどうすればいいか、自分でだんだん問い直していくのです。そうすると、こうすいうことをやっておけば、これができるようになると分かってきます。

    どこまでもこのことができるためには、と問い直していくのです。このように考えていくと、現場の教師らしい知恵が出てきて、そういう時に、新しい工夫が生まれてくるのではないかと私は思います。



    ■選書コメント

    今週のメンターは、大村はま先生です。

    本書は、「新編 教えるということ」の話をより具体的に読んでいくことができます。読書や、漢字学習の具体的な方法、話し合いなど、実際に教室で行ってきた工夫をもとに話が展開されていきます。

    見た目の楽しさや、無責任な優しさではなく、ひとりひとりを成長させること。そのために教師がしなくてはならないことは何かということを気付かせてくれます。

    授業観や、学級運営観を深める一冊です。


    | 大村はま | 20:49 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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